異世界転生したらつがいができました (Page 2)
ボクはある日気付いたらこの世界にいたパターンで、自分の死に様なんかは覚えていない。
普通に生きてきた平成生まれの日本人なので、ヘビィな記憶がなくて助かったとも言えたけど。
ウーヴェと出会ったきっかけは、よくある物語の冒頭か、主人公に訪れる試練のようなものか、まぁそんなたぐいのものだったのだろう。
突出したスキルを持たないボクには荷が重かっただけで。
簡単に言ってしまえば、一人ぼっちで森をさまよってたら魔物に襲われている家族連れに遭遇し、子供が襲われかけたのを逃がしたものの、ボクは左足を喰われた上に見捨てられた。
そしてわけがわからないまま死にかけていたところを、森に狩りをしにきていたウーヴェと村の若衆に助けられたわけだ。
その後、深い傷を負って生死の境を行き来するボクの看病をしてくれたのも、何も持たないボクに生活の場を与えてくれたのも、愛してくれたのも──ウーヴェだった。
左足は満足に動かなくなって、肉体労働が見込めないボクはとんだ役立たずだっただろう。
物語にあるようなすごい魔法もなければ特殊能力もない、あるのは日本人として生きた人生の記憶だけ。
言い方は悪いが村は裕福ではなかったし生活水準も日本と比べると随分低かった。
だからボクにできる仕事は、村人に計算を教えたり魚や肉の加工品を作って外貨を稼ぐ術を教えたり…ちょっとした教師やコンサルティングのまねごとぐらいだ。
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