白い蛇は推しと恋をする (Page 2)
「あー、その、白野世那っていいます…」
「小野夕陽です、よろしくお願いします!」
うわっまぶし…。
これが推しを浴びてるって感じなのか…。
もう自分は推しの目の前にいるってだけで自分の人生が豊かになった気持ちになる。
「あのさ、小野さんってさ、もしかして夕凪くんじゃない?」
思い切ってそう聞くと小野さんは目を丸くしていた。
「…驚いた、僕のこと分かる人がお隣さんだなんて」
「そりゃあ、毎日聴いてるからね」
「え…?」
「俺、白蛇だよ」
自身満々で答えたが自分のことなんか覚えているのかと今更不安になった。
自分はただの1視聴者でしかない。
配信では確かに覚えていてはくれたが、実際こうして会うと誰だろうってなるかもしれない。
「…白蛇さん?」
ぽつりと俺のペンネームを呼ぶと嬉しそうに頬を赤くして笑う夕凪くん。
は?可愛い。
そんな怒りのような悶え死ぬような感覚を覚えた。
「本当にあの白蛇さんですか!えっ、やばい、すごい嬉しい」
「俺も嬉しいよ、推し…じゃなかった、夕凪くんと会えるなんて」
本当に奇跡のようなことが自分に起きたものだと思った。
それからは部屋に夕凪くんを入れて、いろんな話をした。
主に夕凪くんが無名のころから応援してくれて嬉しかったとか、感謝しているとかそんなむず痒い話をされていたわけだが。
「俺も夕凪くんが有名になってくれたあとも俺のこと覚えててくれて嬉しいよ」
照れたように俺がいうと夕凪くんの端正な顔が近づいてくる。
「ん?」
というと同時に夕凪くんにキスをされる。
逃げようとすると抱きしめられ、頭を固定される。
口内に夕凪くんの舌が入ってくる。
自分の中で整理できない。
「んぅ…ん…」
自分の漏れた声が気持ち悪かった。
それ以上に夕凪くんとのキスに興奮した。
キスが離されると文句をいおうとする前に手が自分の服の中に入ってきて肌に触れる。
「白蛇さんのこと、ずっと好きだったんです、おかしいと思うかもしれないけど」
そういいながら乳首に触れる。
ピンと弾かれると体がのけぞる。
まるで自分の体じゃないみたいな感覚に怯えていると夕凪くんはまたキスをする。
「白蛇さんのこと…もらってもいいかな?」
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