夢と現~脳イキセックス~ (Page 5)
80年。人の一生としては十分だ。
「先生…ボクを、眠らせて下さい」
「嫌だと言ったら?」
くつくつと笑う『先生』を無機質なモニターで眺める。
「私は先生とは違う…生きれない」
「80年だ。私は君の目覚めを待ったのだよ?それに──」
其(そ)れは悪夢の様な一言。
「その肉体とその精神が、必ずしも真実だと言いきれまい?──バックアップは充分さ。せいぜい、私の愛玩具として生きて貰うよ」
暗い暗いポッドの中。
高らかな笑い声を最後に。
―――ボクは、考えるのを辞めた──。
Fin.
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