もしかして焦らしプレイだったんですか?! (Page 4)

「それに汚れるっていうけど、今更だよ」

「へ?…」

「もう香ので汚れてる」

ほら、と言われ香は慎介の視線を辿った。

視線の先には、真っ白なスーツの腹部が濡れたようにシミが出来ていた。

もたれかかった際に、溢れていた先走りがついてしまったのだ。

それだけでなく濡れた範囲から、しばらく出ていたようだ。

とんでもないことをしてしまったと、火照っていたはずの身体から熱が冷めていく。

「ご、ごめんなさい。スーツ高いのに」

「怒ってないよ。これで存分に汚せる」

「なにそれ…」

励ますように笑って見せる慎介に、意味がわからないと瞬きする。

高価なブランド品でなくてもスーツは値が張るのに。

「香はスーツ好きでしょ?」

「先輩が着てるから」

「それやめよう」

「それ?」

「先輩って呼ぶの。名前で呼んでよ」

「…呼んでるだろ」

「そう?」

首を傾げた慎介は、手持ち無沙汰のように香の後ろをつついた。

挿入するつもりがない、触れるだけのそれに、眉を寄せた香は唇を尖らせる。

「いじわるだよな…」

「えー」

「セックスするときいじわる。普段優しいのにわざと焦らすだろ」

「香が焦らしたほうが余計感じてくれるから」

「そんなわけないだろ」

「そんなわけあるって。そうだ、今度比べようか」

「はぁ?」

「今度は後ろほぐしたらすぐ入れるから、どっちが気持ちよかったか教えて」

「絶対やだ」

「えー」

香は残念がる唇を塞ぐと、身体を先程と同じ体勢に戻した。

慎介の勃起したものを右手で包む。どくどくと脈打ち熱い。
呼吸を整え、大きく息を吸う。後孔に先端を埋めると一気に尻を下ろした。

「ああぁぅ!!!」

「ちょっ!」

中を貫く衝撃に目の前が一瞬かすむ。

香は小さく喘ぎ声を出し続けた。俯くと射精していて、開きっぱなしの口から唾液が垂れ、精液と混ざりあった。

慎介は根本を甘く締められ息を詰める。急な行動に咎めることもできない。

腰を掴まれ「ひゃっ!」と裏返った声を上げ、顔を上げる。

困ったように眉尻を下げた慎介と目が合う。動けないなら俺がしようか、と物語っている。

香は緩く首をふる。疲れてるのだ、せめて負担を減らしたい。

久しぶりだからか、力の加減がわからない。

ふうふうと息をさせながら腰を上げる。少し上げただけで、中をめくるように擦る感覚に全身が震えた。

ぎこちない動きで腰を上下していると、見かねたように慎介が中を突くように腰をあげた。

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