理由もなくもうセックスしないってどういうこと?! (Page 5)

「見放すなら突きはぐっ」

突き放して!と悲痛な叫びは唇を塞がれたことでかき消された。

「くさっ、酔っぱらい」

「う、うるさい」

何度も唇を塞がれ風雅は慰められているのか?と戸惑いながらも受け入れた。

「どうしてキスしてくれなかったの?」

涙まじりに尋ねると、祐樹はいいづらい理由なのか顔を逸らした。

また誤魔化すつもりなのか。

風雅は祐樹の顔を両手で包むと、強引に向き合うよう固定した。

それでも祐樹は伏せ目になり、おずおずと話し始めた。

「毎日はシすぎだと思って…キスしたらシたくなるし」

「はーーーー?!」

思わず絶叫してしまった風雅に「声でけえ!」と祐樹が慌てて口を塞ぐ。人通りがないとはいっても住宅地の近くだ。

「そんな理由?!」

「そんな理由ってなぁ?!お前の負担でかいだろ」

「だからってもう抱かないっていう?!」

「言い方が悪かったのは謝る…あの日は眠たかったし、抑えられるか自信なかったし…」

「俺のこと嫌いになったわけじゃないんだよな?」

「うん」

もちろんと頷いた祐樹に、風雅は両手を後頭部に移動させる。

「なら今すぐ抱いて」

「わかった」

「ここで」

「え?」

ぽかんとする祐樹。

風雅は落ち込んだように眉を下げた。

「やっぱり祐樹は俺のこと嫌いなんだ」

「どうしてそうなる。ここは外だぞ?」

「見つかんなきゃいいじゃん」

いたずらをする子供のように笑いかけると、祐樹は諦めたようにため息をついた。

*****

街灯の光がギリギリ届かない茂みから、肌を打ちつける音がしていた。

何度目かわからない絶頂に、風雅は抱えられた足先を伸ばし果てる。

喘ぎ声は唇を塞がれくぐもった声しか漏れず、誰かに見つからないようにと声を出そうとするたび塞がれるため、快感からだけでなく酸欠からも頭がかすみかかっていた。

「もう、いいだろ?」

満足しただろうと尋ねる祐樹に、風雅は「まだぁ」と呂律が回っていない声で答え、中の祐樹のモノを締めつけた。

祐樹は小さく唸ると風雅の身体を抱え直した。背後を木に預けているといっても成人男性の体重だ。

ヤり始めてどのくらい経過したのか、腕がしびれだしているが考えるのを放棄していた。

風雅の陰茎からは透明なものがちろりと漏れるだけで、とうに限界に達していたがそれでも続きを促すのは、悲しさを埋めて欲しいからだった。

快楽に溺れた思考でも、今を終わりたくないと強く思った。

「はぁ」

ため息さえ刺激になってしまう。

「ぁ…、ぅぁ…ゃっ!」

祐樹は「疲れた」と呟き、その場に座り込んだ。

より深いところに陰茎が埋まり風雅は小さく声を漏らした。

「まだする?」

「んっ」

脱力した腕を首に絡ませキスをした風雅。

暗闇でも頬が赤らみ欲に濡れた目をしているのがわかる。

祐樹は困ったように笑うと腰を掴み持ち上げる。

結合部からは「ごぼっ」と濁った音と共に白濁が溢れ出した。

風雅が気絶するまで、祐樹は望み通り抱いた。

Fin.

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