いつでもどこでも愛してね (Page 2)

雪路と夏目はもともと幼馴染だった。

夏目は六歳上の雪路のことを兄のように慕い、雪路も夏目のことをとてもかわいがってくれていた。

親子共々とても親しかったこともあり、成人するまでにどちらにも恋人がいなければ二人は結婚するという約束を交わしていた。

そして、昨年その約束は実行され、夏目と雪路は籍を入れた。

雪路はもともと作家として働き郊外の日本家屋で一人暮らしをしていて、夏目はそこに専業主夫として嫁ぐことになった。

ただ一緒に暮らすようになるだけで関係性が変わることはないと思っていた夏目だったが、同棲してからの雪路はやたらに甘かった。

今まで以上に夏目に構って、スキンシップをして、甘えてくるし甘やかしてくる。

そんな雪路に夏目は次第に恋愛感情を抱くようになった。

素直な性格の夏目は気づいてすぐに雪路に思いを告白した。

籍も入れて同棲もしている相手に告白をするというのは変な感覚だったけれど、雪路はにこりと微笑んで受け入れてくれた。

雪路は夏目よりも前に恋を自覚し、ずっと夏目と深く触れ合いたかったと言う。

そしてその日から、雪路と夏目は毎日のように体を重ねるようになった。

（そういえば、俺が食事の準備しているとやけに盛って襲ってくるんだよな、こいつ）

現にキッチンで朝食の準備を遮られ、腰を掴まれゆさゆさと揺さぶられている。

毎晩体を重ねているのに加え、朝や夜の食事を準備しているとき、なぜか雪路はふらりと現れては夏目を抱きたがる。

夏目も雪路が好きだからそれを拒みきれず、冷蔵庫やワークトップに寄りかかりながら、後ろから穿たれてしまう。

「あ、あん、ねぇ、雪路…」

「どうしたの、夏目」

「雪路、キッチンでするの好きなの？」

喘ぎのはざまでずっと気になっていたことを尋ねてみた。

すると、雪路の動きは一瞬止まった。

「キッチンでやるのが好きっていうかさ」

「？」

「夏目が俺のこと考えながら俺のために頑張ってごはん作ってるって思うと作業がちっとも手につかなくなるの。そして実際にその姿を見るとすごい興奮しちゃうの」

「ひっ、ああっ！？」

ふいに、ひときわ激しく奥が穿たれた。

「いつも邪魔しちゃってごめんね？」

「あ、いく、いっちゃう…！」

「でも、夏目がすごくかわいいせいだから仕方ないよね」

夏目が絶頂すると同時、中で雪路の性が大きく脈打ち、熱があふれるのを感じた。

雪路も達したらしかった。

しかし、彼は一度興奮すると、なかなかおさまらない性質だった。

雪路の熱はまもなく再び硬く反り立ち、律動をはじめる。

夏目はもうされるままに揺さぶられて、朝っぱらから何度も果てを見ることになるのだった。