スパダリはスイートルームで跪く (Page 6)
「は?縁談断った?」
「そうだ。最初から断るつもりだったんだ。それなのにお前が早とちりして…」
秋彦がネクタイを締めながら言った。
雪矢はバツが悪そうに下を向くと、床に散らばった自分の服を見た。
「じゃあ…なんで部屋出てった時、追いかけてこなかったんだよ」
「それは…」
秋彦は雪矢の服を拾い上げると、ベッドに腰掛ける雪矢の横にそっと置いた。
「雪矢との将来を、改めてちゃんと考えようと思ったんだ。一度離れて気づくこともあるだろ?まさか連絡まで取れなくなるとは思ってなかったよ…」
「そうだったんだ…俺、あんたに…ひどいことして…」
突然、秋彦が雪矢の前に跪いた。
「あんた…何してんだよ…」
「この半年間、ずっと雪矢のことばかり考えてた。離れて気づいたことは一つしかなかったよ」
秋彦が雪矢の手を取る。
「愛してる。もうお前を離さない…。ずっと俺のそばにいてくれないか?」
「なんだよ…こんなの、まるでプロポーズじゃん…」
「プロポーズじゃなきゃ、スイートルームなんて取らないさ」
「…秋彦っ」
雪矢は秋彦に抱きついた。
「返事はOKってことでイイのかな?」
雪矢は抱きついたまま、何度も首を縦にふった。
情けないくらい、涙が溢れて止まらなかった。
「さっきまでの威勢はどこへ行ったのかな?」
秋彦は笑いながら雪矢の背中をさすった。
「うるせぇ…」
雪矢は涙を手で拭うと顔を上げた。
「責任取って、あんたをもらってやるよ」
「責任?」
「コッチの開発をした責任、取った方がいいだろ?」
雪矢が秋彦の尻に手を伸ばし、割れ目を撫でた。
「ぁあんっ」
「ほらな。もう俺なしじゃ生きていけないだろ?」
「雪矢、お前…っ」
秋の顔がみるみる赤くなっていく。
雪矢はケラケラと笑いながら、伴侶となる男に唇を寄せた。
Fin.
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