きれいなお兄さんは好きですか? (Page 3)
「…んん…っ、ふ…ぅ!」
口の端から、吐息と一緒に互いの唾液が漏れる。
肉厚な舌をじゅるりと吸い上げながら、ひと際強く最奥を突き上げてやると、隼人さんの体が大きく跳ねた。
それとほぼ同時、俺の腹筋あたりに生温かい白濁が飛び散り、隼人さんがイったのがわかった。
「…っ、は…ぁ」
「哲哉…ぁ、好き…ぃ」
隼人さんの体を抱き上げながら、俺もその中に白濁を流し込んでやる。
一滴もこぼさないように、最後の一滴が滴るまで、強く腰を押し付けてやった。
荒い息を整えながら、二人の視線が絡む。
紅潮しきった隼人さんの頬を撫でてやると、妖艶な笑みが返ってくる。
「もう1回、してもいいよ?」
「…それ、隼人さんのセリフじゃないでしょ」
体が好きだ、と言われた。
確かに俺たちの始まりは、そんな不埒(ふらち)なものだった。
だけど手を伸ばせば、優しいキスが返ってきて、甘い言葉が降ってくる。
俺にとっては、それだけでもう十分なくらいもったいない話で。
「じゃあ今度は俺が突っ込もうかな」
「…できもしないこと言わないほうがいいっすよ、マジで」
「哲哉が入れられんの怖いって言ってるだけでしょ、ほんとにビビりなんだから」
隼人さんが楽しそうに笑う、俺はその姿が好きで。
別に体だけの関係だって構わない、俺が遊びの関係だって言われても、構わない。
「好きですか?俺のこと」
「好きじゃなかったら、チンコ舐めたりしないでしょ」
「…言い方なんとかなんないんすか」
うるさい口は、キスで塞いでしまおう。
深い口づけをすれば、条件反射みたいに絡められる舌先すら愛おしく感じてしまう。
何の取柄もない、平凡な俺。
だけど、この世界でたった一人。こんな俺を特別だと言ってくれる人を見つけた。
「好きですよ、隼人さん」
「悪い大人だよ、俺。それでもいいの?」
もちろん、って頷いたら、今度は隼人さんが上。
噛みつかれた首筋から、じんわり。
体中に幸せが広がっていくような気が、した。
Fin.
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