太陽と月

・作

2人組アイドル歌手として活躍しているタクマとリョウ。ハタチになった頃、タクマは大物プロデューサーから冠番組の確約を告げられるがそれにはある条件が。タクマはグループのためにその条件を飲むことにするが、そのせいでリョウを避けるように…。それをリョウが気づかないはずもなくタクマに詰め寄るが――!?

むせかえるような香水の匂いにタクマはそうと気づかれないように眉を寄せた。

「あなたにとっても悪い話ではないでしょ?」

毒々しい真っ赤な紅を塗りたくった唇がねっとりとした言葉を吐いてくる。
舌打ちを飲み込んで、タクマはワザとらしいぐらいの笑顔を相手に向けた。

「すみません。でもそういうのはちょっと…」

タクマの言葉に、初老の女性は「そう…」と小さく呟いてから、タバコに火を付けた。フーッと勢いよく吐き出された紫煙がタクマの顔に、髪に、全身に絡みついてきて酷い吐き気が襲う。

「貴方が無理なら仕方ないわね。でも…貴方達のこと、私はとても買っているのよ。だから、もっと貴方を知れたらと思ったんだけど…」

最初からそのつもりだったのか…と、タクマはこの場を提供してきた事務所の幹部達の顔を思い浮かべて心の中で悪態をついた。

1週間前にタクマはハタチの誕生日を迎えた。その祝いだと言って、事務所の人間に連れてこられたのが、テレビ局の大物女性プロデューサーとの会食だった。最初こそスタッフや関係者が数人居たけれど、気がつけばタクマと女性プロデューサーの2人きりにされていた。

そして今現在、タクマは女性からホテルに誘われている。
タクマが相方のリョウと2人で活動しているグループを中心に、事務所のタレント達を起用した冠番組の企画をぶら下げて。
つまるところ、レギュラー番組の確約の代償として体を差し出せということだ。

各方面に顔の利く大物敏腕プロデューサーだから失礼のないように。と、来る前に何度も事務所の幹部に言われていた。
クリーンな業界とは思っていなかったけれど、ハタチになってすぐ洗礼のように枕営業を持ちかけられるとは思いもしていなかった。

これを断れば今後、この女性のいるテレビ局でレギュラー番組を持つことはおろか、ゲストとして呼ばれることもないかもしれない。

事務所の人間にも何か言われるのだろうか…。

けれど、タクマの信念として、いや、相方のリョウのためにも、体で仕事をもらうなんてマネはしたくなかったのだ。

「もう1人の…リョウの誕生日は2ヶ月後だったかしら?」

女性が発した名前に、ドクン、と毒をくらったかのように心臓が高く鳴った。
女性は、タバコを灰皿に押し付けると、その手でタクマの膝を撫でてきた。

「貴方が私とのコミュニケーションに乗り気じゃないなら…リョウがハタチになってから、彼と親睦を深めようかしら」

触られている膝からゾワゾワとおぞましいぐらいの寒気がはしっているのに、拒否はできなかった。
逃げ場がなくにらみつけた灰皿に横たわるタバコの先端は、毒々しい花のように紅く色づいていた。

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