太陽と月 (Page 3)

「もしかして…タクマ、さぁ」

遠慮がちな口調に、タクマは何を聞かれるのかと身構える。

「解散したいとか…思ってる?」

「は?」

思わず見返してしまった、タクマの顔は真剣だった。

「…少し前に、先輩が週刊誌に撮られたでしょ。彼女と一緒のとこ。今は活動自粛ってなってるけど、先輩はもう引退したいって話してるらしくて。もしかして、タクマもそういう…」

そんな理由だったらどれだけいいか、とタクマはフンと鼻で笑った。
大真面目な顔で、今にも泣きそうにこちらを見てくる真っ直ぐな瞳。
闇夜に浮かぶ月の存在なんて知らない太陽のような、キラキラとした瞳。
それは確かに、タクマが守りたいと思っていたものだった。

そのはずだった…なのに。

汚したかったのか。許されたかったのか。
気が付けばタクマはリョウを床に押し倒していた。

「…タクマ?」

警戒心の欠片もない瞳が、タクマを見つめている。
それが、腹立たしかったのだ。

「リョウは、俺が辞めたいって言ったら困る?」

「困る…ってか、嫌だよ!タクマが隣にいてくれるからずっとやってこれたんだよっ」

「…じゃあさ、リョウ。代わりに相手してよ」

「え…」

「うかつにオンナアソビもできないんだから。いいだろ」

リョウがなにか言うまえに、薄桃色の唇に深く口づけていた。

「んんっ!?んむっ」

タクマからのキスに混乱しているのか、リョウは口を塞がれたままうめき声をあげて、ググ…と首を必死で動かそうとしている。
タクマはリョウの頭を片腕で抱きかかえながら固定して、もう片方の手でスルリとわき腹を撫でた。

「んんーっ!ん、んん!」

足をバタバタして抗議しだしたところで、タクマはリョウから唇を離した。
すぐに起き上がるのかと思ったがリョウは仰向けに倒された体勢はそのままで、ハァハァと肩で息をしている。
怒ってくるわけでもなく、潤ませた瞳でタクマを見つめている。

「どうしたの…タクマ」

その声色は、非難する風ではなく、心配の色をはらんでいた。
それが余計にタクマの胸をざわつかせた。

「あっ!ちょ…」

リョウの着ていたシャツの襟ぐりを思いっきり引っ張れば、止められていた第二ボタンが引きちぎれ、コロロと床に転がった。
チラチラと見え隠れしていた白い鎖骨が全開になり、タクマはそこに噛み付いた。
歯をあてて、舌を這わせ、その肌を吸う。逃げようとしているのか、リョウは腰を跳ねさせている。

「うぁ…ね、ねえ、タクマっ!もっ…んん…」

トントンと肩を叩いてくるリョウの手を掴んで床に縫いつけると、タクマはリョウの足の間に膝を割り込ませて、膝頭を敏感であろう部分に当てた。グリグリと膝を押しつけるようにすれば、リョウは腰を跳ねさせるのをやめた。

「あっ…ね、タクマ…。それっやめて…」

ぐりっ…と押しつけていた先の感触が、硬くなってきたのがタクマにもわかった。

「何、勃ってきたの?」

耳元でそう言うと、リョウの耳がサァッと赤く染まった。

「あ…もう…やめて」

「丁度いいじゃん」

「えっ」

「お互いに性欲処理、できるじゃん」

そう言って、さらに強く膝を押しつければ、よりソコは硬度を増した。

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