結婚しませんか!?
付き合って5年のラブラブカップル、輝太とハルトはついに同棲を始めることに。輝太は「初夜」を楽しみしているが、肝心のハルトはまったく手を出さず、モヤモヤする輝太。2人の同棲はうまくいくのか…。ラブラブ同棲初夜を書きました!
「輝太、お前の靴下こっち入ってたわ」
そう言いながらハルトは俺に向かって靴下をポーンっと投げる。
「ごめん!サンキュー!」
靴下を受け取りながら返事をする。そしてハルトの姿が見えなくなったことを確認してから俺は思いっきり息を吐き靴下を握りしめた。
やばいな、気持ちが持たないかも…俺は口角がだらしなく下がっていることに気づいたが今日くらいはいいか、と思いっきりニヤニヤした。だって今日から大好きな恋人、ハルトとの同棲が始まるのだ。ちょっとくらい浮かれても問題はないだろう。
ハルトとの出会いは俺が予備校に通っていた時の頃になるので、かれこれ5年ほど前になる。当時の俺は高校3年生、ハルトは大学3年生だったそうだ。俺はお目当ての予備校の先生の授業を受けようとはるばる違う校舎から県をまたいでやってきた。その日はあいにくの大雨で俺のテンションは最低をマークしていた。そしてなんとかたどり着いた予備校の受付で、受講生である証の受講カードを出そうとしていた時のことだ。
「すごい雨でしたね」
とてもいい声が頭上から聞こえ、俺は顔を上げた。そこには高身長のイケメンが立っていたのだ。それがハルトとの出会いで、いわゆる一目惚れをしたのだった。
ハルトはその時その予備校で大学生アルバイトとして勤務していた。そこからはもう、目当ての先生の授業を受けるためと口実を立て何度もその校舎に通い、質問という名のおしゃべりをするためにハルトに声をかけた。ある意味頑張るモチベーションだったと思う。ハルトもハルトで俺のこと嫌っている様子もなかったし、タメ口で話しかけてくれるくらいには仲良くなれたと自負していた。
そして俺は受験前日にハルトの勤務する校舎に行き、ハルトを受付から呼び寄せた。そして小さく折りたたんだ紙をハルトに渡し、逃げるように家へ帰った。そこにはハルトのことが好きであること、できたら付き合ってほしいと思っていること、そして受験が終わって志望校に受かっていたら答えを聞きに行く、と書いたのだった。
さて、受験だがなんとか志望校に受かった。ちなみに補欠だったため、受かったことがわかるまでかなり時間がかかったわけだが、それでも約束は約束なので俺はハルトに会いに行った。開口一番に、落ちたのだと思ってた、と言われたのはいい思い出である。ハルトは俺が受験に取り組んでいる間、ちゃんと俺のことを考えてくれていた。そして結論は、お付き合いをしてみましょう、というものだったのだ。飛んで喜んだ、この日の出来事は今でも鮮明に思い出せる。あれから月日は流れ、俺たちはハルトが社会に出てからもずっと付き合っていた。そしてついに、俺の就職が決まったタイミングで一緒に暮らそう、という話が出たのである。
何が言いたいかというと、つまり今日は「初夜」に当たるのだ。もちろん今までも何度もハルトに抱かれたことはあるが、今日は特別楽しみなのだ。そりゃニヤニヤもするだろう。そんなことを考えていたせいだろう、俺の股間が少し反応したのを感じた。この状態でハルトのとこに行ったらちょっとかまってもらえるかな、俺は期待して別の部屋で片付けをしているハルトの元へ向かう。
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