編集担当との再現セックスが官能小説家に与えた感情 (Page 2)

「…もしかして、童貞なんですか?」

「違いますよ」

「では処女ですか?」

「だから、僕は男ですけど」

「じゃあ先生が愛理で、私が廉也になりきれば小説と同じ設定になりますね」

「ちょっとっ…!」

待ってという言葉は、下から押し付けられた柔らかく濡れた物体に奪われた。

それが僕を見上げる人物の唇で、城島と口付けを交わしたのだとすぐに理解した。

感触でも確めているのか、彼は唇を押し当てたまま動かなかった。

(男でも柔らかいんだ、唇って)

ノーマルな僕にとって男性との、しかもこんな近親者とのキスは初めてで率直な感想がそれだった。

初めての相手とする記憶に新しいキスの感触。

どこか掴みどころのない感覚に浸っていると、止まっていた顔がゆっくり動いて唇が離された。

そこで僕は思い出した。

(そうだ、これは小説を再現してるんだ)

いつの間にか閉じられていた城島の目が開かれ、僕の姿を真っ直ぐ捉えた。

その視線は愛おしいものを見るように優し気だが、色気や熱っぽさも帯びていて妙に胸が高鳴った。

(これからどうなるんだ…?)

詳細を思い出せずにいると、城島の両手が僕の側頭部をそっと包んだ。

「大丈夫だよ、愛理。オレに身を委ねれば」

10本の指に髪を絡ませながら、再び僕の唇に自分のそれを重ねた。

しかし今度は軽く押し当てては離したり、上下の唇を軽く食んだりしてついばむような口付けだった。

「んっ…はぁっ」

チュッチュッとしたリップ音と共に、自分のとは思えない甘ったるい吐息が漏れる。

退きかけていた欲望の炎は再燃し、心臓の鼓動がより乱れたリズムを刻んでいた。

酸素を取り入れたくて小さく唇を開けると、それと同時に生温かい舌も一緒に侵入してきた。

「んっ…!」

(このタイミングだったか…)

ぼんやり思い出しながら、中をゆっくり動く物体の湿りや感触を味わう。

ヌルっとして、でも僅かにザラっとした舌触り。

それは少し違和感で、思わず舌を喉奥に引っ込めようとした。

「逃げないで。舌、もっと出して」

城島の湿った声を口内に優しく吹き込まれると、催眠術にかかったようにすんなりと受け入れた。

「はぁっ、ぁっ…」

2人分の体液が唇同士を往来して、リップ音より品なくはっきりとした水音を鳴らす。

舌が深く絡まって静かに激しさを持っていく口付けを受け入れる度、体の奥がじんわりすると同時に体幹を維持もままならなくなってきた。

未だ流れを思い出せない僕は、愛理の行動を予測していくことにした。

確か、愛理は意地っ張りで恥ずかしがり屋な女の子。

同じように感じても、彼女は廉也に頼って甘えるだろうか?

それを思うと、安易に城島の体へ触れなかった。

「ひぁっ!」

頭皮や髪の毛を触っていた手が、衣類の中に侵入して直接肌を撫でた。

腹部から脇腹へと上り、最終的に乳頭部まで到達する。

「すごい勃ってる、愛理の乳首」

硬いであろうそれらを押し潰したり捏ね回したりされ、じんわりと全身が痺れていく。

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