医療従事者たちの最高の薬は淫らな欲望の解放 (Page 5)
「横になってくれ」
「あっ…」
仁志がベッドへ仰向けになった拍子に、陰茎やカリ首の凹凸が不意に内壁へ淫らな摩擦熱を与えた。
摩擦の余韻を抱いたまま類人は両手をベッドに着けて体勢を安定させると、再び腰を浮かせて抜き差しを繰り返した。
「はっ…はぁっ、んっ」
「いつも以上に狭くてっ、熱い…類人の中がっ」
「仁志のもっ、いつもより熱くて太くてっ、硬いっ」
率直な感想は羞恥や興奮を誘い込んだのか、中を満たす肉が内壁へより密着する。
「また、大きくなったっ」
「類人こそっ、あんまり締めるなっ…そんな締められたらっ」
“イキそうだ”
仁志のその訴えを聞くより先に類人は足腰に力を集中させると、動きに力と速度を加えて律動に緩急を与えた。
局部の肌同士がぶつかり合う乾いた音と内部で体液同士が混ざり合う水音。
それらは類人の動きの激しさを物語ると同時に、強烈な卑わい感や倒錯感を漂わせていた。
「我慢するなっ…溜まってる欲望、ありったけ出せ」
陰茎が膨張したところで少し抜いていた部分も中に捻じ込むと、類人は半身を仁志の上半身に倒して顔を至近距離まで近付けた。
「全部、僕が受け止めるよ」
ゆっくり紡がれたその睦言の語尾の直後、熱く濡れた肉壁に包まれたまま2度目の射精を迎えた。
類人の最奥まで届かせて濡らすように、長く勢いよく。
「…2回目なのに、すごい量だな」
「全部出せと、言っただろう」
「熱くて、気持ちいい…僕も、さすがに限界だ」
うっとりした声で呟くと、最奥で温かい液体を注ぎ込まれる感触に後押しされたように、類人は自身の腹部に向かって精を吐き出した。
*****
「明日もあるから、僕はこれで帰るよ。仕事に打ち込むのもいいが、次は無茶するな」
後処理を終えて身形を整えると、類人はこの場を後にしようとする。
「…わかった」
「それじゃあ、お大事に」
「類人」
体調を気遣う言葉を残して部屋を出ようとすると、言い残したことがあるのか仁志が離れて行く背中を呼び止めた。
「何かあったか?」
「…ずっと寂しい思いさせて、悪かった。体調が治ったら、何かさせてくれ」
(そうか、溜まってて仁志を誘ったわけじゃないのか…)
その言葉を聞いて、類人は今更になって気持ちが腑に落ちたのを理解した。
素直になってそれを自覚すると気恥ずかしさで一杯になったが、彼は悪い気分にはならなかった。
「楽しみにしながら、考えておくよ」
最後にそう言い残すと、類人はドアを静かに開けて病室を後にした。
(僕は仁志に構ってもらえなくて、ただ寂しかったのか)
勤勉だが興味のないことには周囲はもちろん、自身のことすらとことん無関心な仁志。
(意外と、見られてるんだな…)
そんな彼に感情を汲み取られたのが嬉しくて安心で、類人は純粋な満悦感に満たされた。
(何をしてもらおうか)
心中で呟きながら、類人は誕生日プレゼントを決める子供のように無邪気に考えた。
Fin.
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