計画の愛 (Page 2)

「ねえ、中村くん」
「っん、、あ……、な、なんですか……っ」
「僕が席を外している間、本当にいい子で待ってた?」
そう言うと、ぐり、と体内に入った指を腹の方に曲げられた。
「んあっ」
「気遣いができすぎるというのも、考えものだねえ」

 異様に熱い吐息が、首の後ろからかかる。背中に感じる藤本さんの体温は、アルコールでの酔いだけでは起こりえない熱さを持っていた。

 再生されっぱなしのアメリカ映画が、濃厚なキスを映していた。
 それを見た途端、俺の唇も温かい感触を欲しがり始めた。俺自身は飲んでいないが、藤村さんのワインには、通販で買った精力剤をまぜておいたのだ。
 だからきっと藤本さんも映画にあてられたのだろう。俺の顎を指で押さえ、横から覗く藤本さんが唇を合わせてきた。

「ん、ふ、あ」

 ちゅ、くちゅ、ぴちゃ、ぴちゃ、じゅる。いやらしい音をたてながら、唾液を飲みたがるように舌が口の中を這いまわった。

「ふあ、う、ふじ、もとさ、ん……」
「ん、なあに」

 ちゅ。とリップ音をたて、たらりと粘度の高い唾液を伸ばして熱い舌が離れて行った。
 口寂しい。俺はその瞬間にそう思ってしまい、同時に下半身への熱もズクンッと血液が集まったように感じた。反射的に藤本さんの指を咥え込んでいる後孔も、もっと大きい欲望を欲しがって、きゅんと締まった気がする。

 ああ、藤本さんがあの微笑みを浮かべている。

「藤本さんも、はやく俺の中、入りたいですよね……?」
「きみから誘ってくれるなんて光栄だよ」

 ぐにゅう、と体内に入る指が2本に増やされ、グイと広げられた。空気が内臓に触れる感覚はまだ慣れなくて、余計にぎゅうと力を入れてしまう。

「はは。欲しがってるのは、きみの方じゃないか」

 ジイイイ……とスラックスの前を開けた音がして、俺の素肌の尻に熱い塊が触れた。

「社員の教育に悪いからね、きみはそのまま映画を観ているといい」

 ぬるん、ぬるん、と熱い肉棒が尻の双丘を撫でる。後蕾へのじれったい触れ方が、俺の欲をさらに煽った。

「……今は立場なんて忘れてくださいよ」

 腰を少し揺らしながらそう言うと、一呼吸の間があってから、耳にフフと息が吹きかかった。

「随分と上司の扱いを覚えたものだ」

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