魔法では消せない壁 (Page 3)
ガルニエは一度縄の結び目をほどき、再びうねうねと全身を這うように巻き付かせた。
部屋着のスラックスの前を開けて、パンパンに腫れあがった屹立を空気にさらした。その男性の象徴をガルニエは一気に口のなかに含んだ。熱くて硬くて、全部咥え込めないほどに大きい。
「あっ、おい、そんなとこ舐めなくていいから……っ」
抵抗しようと伸ばされた手を赤い縄が絡めとり、ギチッと上体に縛り付けた。
「おいっ、ガルニエ……!」
ピクンと揺れる性器をガルニエは離さなかった。亀頭を口をすぼめて吸い、硬く尖らせた舌で裏スジを舐めあげた。
口に収まらない根本を両手で扱いて、じゅっぷじゅっぷと音をたてて口内で蹂躙(じゅうりん)した。
「ん、う、……はあっ、あっ」
股関節を縛る縄を、緩めたり締め付けたり。
上半身は薄いピンクの乳首を掠めるように縄をスルスルと動かした。
「アッ、やめ、んんっ」
より硬くなっていく男根を、じゅぽじゅぽっと追いたてるように刺激を強めていく。もうこれ以上腫れないくらいに、肉棒と陰のうがぱんぱんに膨らんだ。
「んっ、ガル、ニエ、いく、いく……っ!」
びくんびくんと波打って、ガルニエの口腔に精を流し込んだ。喉仏が上下し、それが亀頭を、ぎゅ、と締め付けて、まるで精子を搾り取られたみたいだった。
*****
アーティが眠ったのを確認して、ガルニエは防音の魔法を解いた。
夜が明けて、彼の権力がこの屋敷を取り仕切る前に仕事場に帰るのだ。幼馴染のままでいる間にこの部屋を出なければ、あの嫌な執事たちにアーティまでもが注意を受けるようになってしまう。
ガルニエは横で寝息を立てるアーティを起こさないように、そっとベッドから起き上がった。
昨晩アーティが向かっていた机。散らばった紙の中でも、重要ではなさそうな紙に羽ペンを走らせた。「また日付が変わる頃に来る」と書いた。アーティに比べたら拙い字だが、読めないことはないだろう。
昨夜、魔法で消したロウソクは、ほとんど溶けてもう使えなさそうなくらいだった。主人を起こさないように小さく呪文を呟き、溶けたロウソクを新品同様に整形する。火はまだ点けないでおいた。
鍵のかかっていない窓開けると、朝の匂いを運ぶ風が部屋に吹き込んだ。
「おいていかないで」
曇った声がした。
振り返って声のした方を見たが、横になっているアーティは身じろぎもしなかった。たぶん寝言だろう。
本当はキスをしたかったが、触れたら戻れなくなる気がした。
ガルニエは外の空気の侵入によって冷えた部屋を、魔法で暖めてから窓の外へ飛び立った。
Fin.
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