男娼街で味わった60分の官能 (Page 5)
「この先、もう女を抱けなくなるかもな」
「あっ…んあっ…」
もしそうなって、その理由が自分だと思うとどうしようもなく興奮した。
その感情はそのまま下腹部にも伝わる。
陰茎が中で膨張して硬さを持っていて、精の解放がまた近付いたのを物語っていた。
その欲求を少しでも早く満たしたくて、下腹部の動きを変えてピストンの速さと強度を上げた。
「いあっ、あっ、あっ!」
「っ…さすが処女っ…まだっ、狭くなったっ」
やっぱり甘えて、直接挿入すればよかった…。
響の中の狭さと締め付けが助長した、吐き出したい衝動とともにそんな後悔も生まれてきた。
しかし、それを思うにはもう遅かった。
締め付けと衝動に堪え切れず、静止して避妊具の中にそのまま精を吐き出した。
――ピピッ
「…終了、時間だ」
タイミングよく鳴ったタイマーの電子音に混じって、響のそんな呟きが聞こえた。
*****
それから後処理をして準備を整えて営業を開始した。
オレは座布団に正座して客が立ち止まって入るのを黙って眺めて。
響は遣り手として立ち止まった客に営業をかけて店に引き入れて。
さっきの時間が嘘のように、何事もなくお互いの仕事をしていた。
正座して十数分経った時だろうか、オレと変わらない位の男が店の前を通って運よく立ち止まった。
そしてオレの隣に居る響に引き止められて、何やら話をしている。
そんな様子を観察すること数分。
「大介、1時間だ。お客様を上へご案内しろ」
「ありがとうございます、こちらへどうぞ」
オレは立ち上がって、靴を脱いで上がった客を階段へと案内する。
いつもと変わらない仕事風景。
外から見れば、遣り手とキャストという進みも下がりもしない響との関係。
しかし響の処女を奪ったしご法度も犯した。
深く刻まれたそれらの事実は、オレに倒錯的な悦びを与えた。
(確かに、これは病み付きになるわ…)
心身の底から沸き起こるそれを抱きながら、オレは客と部屋に入った。
…熱っぽくもどこか寂し気な、響の視線を背中で受けながら。
Fin.
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