シャンプー切れてただけなのに (Page 2)

追い打ちをかけるみたいに、息を吹きかけられる。

「んんん、あっ、やあ! 耳くすぐったい」

「うん…気持ちいいね」

ふと、駆の下腹部に目をやる。ズボンが大きく膨れ上がって、苦しそうだ。するりと触れてみれば、とても硬い。

「…かけるは? 駆は、気持ちよくならないの?」

「っ、さっきから、僕を試してるの?」

「ふぁぁっ、んん、む…」

駆は、舌で俺の口を掻きまわしながらズボンを脱いだ。

「いれないから、ちょっと許して」

「あああっ…! んっ、んっ、んんっ」

駆の性器が、俺のおしりを擦っていく。手でも性器を撫でられて、もう立っていられない。夢中で駆に縋りつく。

「こんな、の、だめっ」

「はあっ…、なんで? 壮太が、悪いんだよ」

「ちがっ、んっ、んっ、これ、やだあっ、あっうう」

「はっ、はっ、きもち、いい? 壮太、壮太っ」

今まで何度も呼ばれてきた名前だけれど、今のは違う。必死で、真剣で、苦しいくらい胸に届く。

「わかんな…あああっ、もうだめ、だめぇ!」

「いけそう、かな…っは、はあ」

「んんっぐ、あ…っ! っああ、」

「壮太、かわい…っ、」

*****

シャワーで二人分の精液を流していると、駆が言った。

「あの、念のために言っておくと、僕は男が好きなんじゃないよ」

「この期に及んでまだ…」

「壮太が好き」

「…は、なに言って…」

「顔赤いのは、照れてるからだって思ってもいい?」

「ち、違う! これはお前のせいでのぼせたんだろ」

必死に言い返すも、まったく響いた様子はない。

シャワーを止めて、静寂が訪れる。

「ねぇ。僕を壮太の恋人にしてほしいよ」

そっと手を握られると、それだけで息が苦しくなる。

「…俺も駆のこと、好きだけどさ。そういうのかはちょっと、わかんないよ」

この『好き』が、駆の『好き』と釣り合うことなんてあるだろうか。

「そっか…でも、これで意識してもらえたから、時間の問題だよね」

「うん…? いや、そうとは限らんだろ」

「だって、さっき僕のこと好きって」

「えっ、ええ…? あれカウントされるの?」

「好きは好きでしょ。僕も壮太が好きだよ。気持ちよくしてあげたいし、大切にしたいんだ」

「うう…ううう?」

それくらいなら、俺もそう思うけど。

これが恋かどうかは、まだわからない。

Fin.

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