僕の双子の弟が最悪で困っています (Page 5)
うっすらとした明るさに目を覚ますと、僕はベッドにいた。体がだるい。
目だけを動かすと…、横には樹がいた。
「…! いー…」
声をあげようとしたけど、喉が痛くてちゃんとした声にならない。
樹はにこにこと笑っているだけだ。
「桂ちゃん、ありがとう」
何に対しての、ありがとう、なんだ?
声がうまく出せないので、だるい手で樹の頭を、ぽこ、と叩いた。
「桂ちゃんは本当に可愛い。好き」
…うるさい、黙れ!
「また、さ…。ときどきは教えてね。桂ちゃんの可愛いところを」
最悪な奴だなという気持ちをこめて、もう一度、樹の頭を小突いた。
Fin.
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