女性用の下着を試着した姿を恋人に見られた男の末路 (Page 5)
「誘って、余裕まで奪ったんだからっ…たっぷり、付き合ってよね」
言いながら一旦腰を引いてギリギリまで抜き出すと、一気に最奥まで侵入して大きく1回突き上げた。
「あぁぁっ」
大きな突き上げは助走だったのか、それからは力強く一定のリズムで奥をガツガツと突き上げられた。
「あっ、あっ…あぁっ!」
エビのように体を反らせる。
甲高い声を上げ続ける。
好みの律動で生み出され続ける淫らな衝撃に、抑え切れない悦びをそうやって表現するしかできなかった。
“ありがとう、僕とのセックスを楽しんでくれて”
そう言いたいけど…もう、限界だった。
それはまるで、体中に閃光が走って大きな雷でも落されたような衝撃。
最後の突き上げをくらって頭が真っ白になり、体中の熱が中心部へと一気に集約された。
一瞬だけ全身を強張らせて静止させ、腹部に力を入れる。
真っ暗な視界の中、お腹と脚の付け根が生温かい液体で濡らされたのを感じた…。
*****
「ねえ、もっとないの? こういうセクシーな下着とか、AVに出てきそうな玩具とか」
体液(主に精液)で汚れたパンティを洗面台で擦って洗っていると、僕の後ろで大夜さんがそう問いかけてきた。
「あるわけないじゃないですか…! 僕の趣味じゃないんですから。大体、あの下着だって、元はと言えば貴方が…」
興奮して思わず口走りそうになった言葉を、紡ぐ寸前で喉の奥へ押し込んだ。
「オレが…なに? さっきの続き、聞きたいな」
そんな僕の様子を見逃すわけもなく、大夜さんはニヤケ顔で答えを催促してきた。
Tバック姿を見られたせいか。
何だかもうどうでもよくなって、僕は経緯を打ち明けた。
「…グラビア雑誌ですよ、貴方の部屋にあった。あれ見たらやっぱり、貴方は女性の方が好きなのかと思って、それで…」
「グラビア雑誌…ああ、あれ。なに、見付けちゃったの?」
僕は黙って首を縦に振った。
「あれは買ったやつじゃなくて、参考資料」
「…は?」
「今度、グラビアの撮影やるから参考にしろって、無理やり渡されたんだよ」
「…なんだ」
大夜さんから聞いた答えに拍子抜けして、体の力が抜けそうになった。
答えは悠馬の想像通りで、早とちりした自分にまた羞恥心がよみがえる。
しかし悔しいことに、安心したのも事実だった。
交錯するそれらの感情を隠すように、視線を洗面台に戻して手を動かし続ける。
「もしかして、オレをつなぎ止めたかったから? あの下着買ったのって」
「…悪いですか」
「いや、すごい愛されてて嬉しいなと思って。ねっ、ほらっ、愛情も確かめ合ったし、もっとああいうエロいグッズ集めようよ」
「どうしてそうなるんですか? そんなの他の、それこそ女性にでも頼めばいいじゃないですか。僕と違って、モテるんですから」
「だから、そうじゃないの」
汚れが落ちて蛇口を閉めたと同時に、耳元に唇が寄せられる。
「エロいオプション付けた、秀に興奮するの」
どうしてこの人はこんな恥ずかしいことを、サラッと言えるのだろうか?
「…バカなこと、言わないでください」
赤くなっているであろう顔を見られたくなくて、パンティを洗濯かごに投げ込んで急いで洗面所を後にした。
どっちがバカなんだ…あの悪ふざけのような言葉が嬉しい、なんて。
でもまあ…まだしばらく、大夜さんの心身をつなぎ止める力があるらしい。
(仕方ないから、悠馬にも報告してやろう)
恥ずかしくも安心しながら、僕は心中でそう呟いた。
Fin.
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