隣の相棒がヌード独占権を獲得したようです
俺、翔(かける)と文太(ぶんた)はMath(マス)という駆け出し2人組ユニットだ。文太は俺のことが大好きとのことで、どこに行くにもついてくる。俺も相棒の文太が嫌いなわけではないが…。新曲の発売に伴い、抽選1名が2人のどちらかのヌードを見れるという企画があったのだが、当選者はなんと…!
俺は駆け出しアイドルユニット”Math”のひとり、翔。相棒の文太と相棒の文太と日々体を張った仕事をしている。
アイツは少し変わっており、俺に対して過剰なまでのスキンシップをしてくる。
「翔ちゃん~」
俺がイベントか何かに参加することがあれば、何かにつけて様子を見に来る。
「翔ちゃんのあそこ、おっきいねぇ」
一緒に温泉に入れば、そんな話を振ってくることもあった。
男子高出身とか言ってたし、そういうものなのかな…俺はそう思っていた。
そんなある日、事務所がCDの販促のために抽選で当たった1名にメンバーどちらかのヌードを独占する権利をつける!と言い出した。
「あっはい、俺は大丈夫ですけど…文太は?」
「僕もいいよぉ」
文太はどこか待ち遠しそうな様子で、一言そう返した。
*****
そうしてCDが発売し、売り上げは数千枚程度増加したと事務所からの報せが届いた。
「やっぱあのヌード抽選会の影響もあるんかな~」
俺がそう言うと、文太も「そうかもねぇ」と俺に寄り添いながらそう言った。
そこにマネージャーがやってきて、当選者が決まったとの知らせが届く。
「指名はお前だとさ、翔」
(いったいどんな人なんだろうな…)
俺はそんなことを考えていた。ハンドルネームは「割り算」さんとのこと。
約束のスタジオに向かいながら、俺は割り算さんがどのような人か考えていた。
*****
俺は何人かのスタッフに見られながら、下着以外の洋服を脱ぎ捨てる。
割り算さんはすでに来ているという。俺はどきどきしながらスタジオに向かうと――。
「待ってたよぉ」
ぴとり、とくっついて来たのはまごうことなく相棒の文太だった。
「ぶぶぶ、文太!?」
俺がそう声を上げると、「分数だから割り算、なんちてー」とへらへらと笑う。
「売れるといいなぁと思ってCDいつも出たら買ってるんだけど、当たっちゃった」
そういうと文太は「スタッフさん、ごめんねぇ。二人きりってルールだよね?」とスタッフの人たちを追い払った。
「さぁ、二人きりの時間だねぇ。僕うれしいなぁ」
文太はスマホを一瞥しながらそう言った。
「何見てんの?」俺がそう聞くと、「ん?クレジットカードの明細だよ~」と返す。
「そんなにたくさんお金使うことでもあったのか?」俺は興味本位で聞いてしまった。
「んふふ、内緒」
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