初恋アバンチュール (Page 6)
あれから巽と千秋は朝が来るまでセックスに耽っていた。
これほど欲情するのも、長時間行為に及んだのも巽にとってははじめてのことだった。
慣れているという千秋でもさすがに疲れ果てたのか、今は隣でぐっすりと眠っている。
巽も眠かったが、まだ興奮が残っていて瞼を閉じてもなかなかうまく寝つけず、千秋の横顔を見つめていた。
認めるしかないのかもしれない。
自分は千秋に恋をしたのだろう。
千秋は己の運命なのだろう。
千秋がその話を出したとき、運命だなんて漫画やドラマじゃないんだから、と思っていた。
しかし実感してしまった。
これまで誰にもときめくことができなかった自分が、どうしようもなく欲しくなる相手を見つけてしまった。
ならば、一夜限りの遊びで済ませてたまるものか。
遊び人である彼をどうしたら自分のもとに繋ぎ止めることができるだろうか。
思いを馳せながら、巽は千秋の穏やかな寝顔を見つめた。
あふれる愛しさと欲のままに巽は千秋の手をそっと握ると、その甲に口づけを落とした。
Fin.
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