狐は贄を溺愛する (Page 4)

やけどしそうなほどの熱に、悠は自分の中がさらに濡れてひくりと疼くのを感じた。

悠の腹は不思議な熱を持ち、ずくりと疼いた。

狐神に膝裏を掴まれても、悠は決して抗うことができなかった。

それは漂う重圧に負けただけではなかった。

これから行われる未知な恐れとともに好奇心も抱いてしまっていた。

「あ…そんなとこ…」

狐神は悠の下肢を持ち上げ、尻臀を優しく撫でるようになぞって辿り着いた後孔に指を突き立てた。

「男同士のまぐわいはここを使うのだ」

悠の中に狐神の指先が少しずつ侵入していく。

異物感と同時に、そこから立つ妙な水音に悠は眉を顰めた。

「もう濡れているな」

「な、なんで…」

「我のための祝詞を唱えただろう。それでお前は我のものとなり、お前の体は我を受け入れるためのものとなったのだ」

「あっ」

狐神の指が一気に侵入したかと思うと、腹の方に向けて曲げられる。

瞬間、頭の奥が痺れるような快楽が迸った。

悠は思わず瞳をぎゅっと閉ざして、腰を震わせる。

自分の中の湿り気が増していくのを感じる。

その間にも狐神は悠の中を突いたり、指を増やしてまばらにうごめかせた。

「あ、あ…それ、だめ、それ、変になっちゃう…」

「よいよい、変になっているところを見せろ、悠」

「あ、ああ…っ!」

悠の中心から熱いものがどろりと溢れ出す。

悠はこれまで性欲というものがほとんどなかった。

精通してからも自慰することは滅多になく、そのため、快楽での射精の感覚は未知で新鮮だった。

自分が自分でなくなるようなそれは恐ろしくもあった。

しかし、すでにもう一度味わってみたいと思ってしまっている自分もいた。

それを見透かしたように、狐神は微笑んで言った。

「悠、これからもっとよいものを与えてやる」

狐神は纏っていた白絹の着物をくつろげると、大きく反り立ったものを取り出した。

自分よりも二回りは大きいそれに悠は思わず滲んだ唾液を飲む。

「そんなに物欲しそうな顔をするな、優しくしてやれなくなるぞ」

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