狐は贄を溺愛する (Page 5)

狐神はくつくつとのどを鳴らしながら、悠の後孔にそれをあてがった。

先の指のように、その熱が己の中に挿入されるのだろうか。

こんなに大きなものを挿入なんてできるのか、そんなことをしたら己の尻が壊れてしまうのではないか。

そんな怖さもあるのに、快楽と熱に浮かされた悠の唇からは無意識にとんでもない言葉が漏れた。

「もう、きて…」

息を呑む音が聞こえたかと思うと、次の瞬間、熱い塊が悠の中に入ってきた。

「あああっ…!」

「悠、悠…っ」

狐神が繰り返し悠の名前を呼びながら、腰を打ちつけてくる。

「あ、んっ、ああっ、狐神様っ」

それにつられるように悠も彼の名前を呼ぶと、熱い塊が腹の奥を穿つ律動が激しくなった。

「悠、お前に我の名前を呼ぶことを許そう、我の名は…篠だ」

「しの…」

「我の名を呼んで果ててくれ、悠」

優しく乞われるままに、悠は喘ぎとともに彼の名前を繰り返し呼んだ。

「篠様、篠様…ぁ、あ…っ」

水位を上げる快楽に、縋るように腕を狐神の首に巻きつける。

ふたりの繋がりはさらに深くなり、悠の頭の奥はちかちかと明滅する。

「あ、またきちゃう…頭真っ白になる…」

「我も達する…ともに果てようぞ、悠」

狐神はひときわ激しく悠の奥を穿った。

迸る激しい快楽に悠は全身を震わせ、甘い悲鳴を上げながら達した。

その後を追うように、悠の腹の中で狐神の性が激しく脈打った。

どろりとした熱い液体が断続的に放たれて、悠の腹の中を満たしていく。

「すごい…いっぱい…」

うっすらと膨れた腹を思わずなぞれば、腹の中の熱がまた膨らむのを感じた。

「あ…篠様…また…」

「お前が愛いせいだぞ、悠」

狐神は小さく笑うと、またゆっくりと腰を動かし律動を再開した。

二人の間に立つ皮膚がぶつかる音や水音がだんだんと激しくなっていく。

それから悠は何度も果てを見て、腹の中は狐神の精でたんまりと満たされた。

「悠…」

快楽と疲弊に意識がおぼろげになってきた悠の耳元で、狐神が囁いた。

「お前は永遠に我のものだ…永遠にな」

Fin.

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