行き倒れ吸血鬼に見初められました (Page 2)

奏が座っているベッドに近づいてきた男は、昨夜とは見違えるほどによくなった顔色で微笑んだ。

「具合はどう?」

「あの、ここは…」

「俺の家」

「なんで俺はあなたの家にいるんでしょうか」

尋ねた奏の唇に男は人差し指をそっと翳した。

「あなた、じゃないよ。ルイ」

「ルイ、さん…?」

ルイは嬉しそうに頷き、奏の頬を撫でた。

「奏くんがここにいるのは俺のせいなんだ」

「ルイさんのせいって」

「君の血を吸い過ぎてしまって」

奏はぽかんとした。

ルイは今なんと言ったか。

なにかの聞き間違いかと思って呆然とする奏に、ルイははっきりと言った。

「俺、吸血鬼なんだ」

「吸血鬼」

「君の血があまりに美味しかったからつい。ごめんね?」

「俺の血が美味しい」

「ふふ、奏くんさっきから繰り返してばっかり。うん、君ほど美味しい血ははじめて飲んだよ」

うっとりと宣うルイに奏はぱしぱしと瞬いてから、もう一度自分の頬を抓ってみた。

やっぱり痛い。

「夢じゃないよ」

「どっきりとか」

「ふふ、だったら面白いね。ねぇ、奏くん」

三日月の形に細められたルイの瞳が赤く煌めいたように見えた。

「吸血鬼の唾液には催淫作用があるんだ。でもそれは即効性じゃなくて、唾液を注いだ吸血鬼の意思によって発動する。こんなふうにね」

ルイが白く長い指をパチンと鳴らした。

瞬間、奏は腹の底が一気に熱くなるのを感じた。

「なに、これ…」

「これで、夢でもどっきりでもないって信じてくれたかな」

奏は人並み程度に恋愛を経験し、体を重ねる行為もしてきた。

そのときと似た、いや、それに遥かに勝る興奮に奏は今襲われていた。

腹の底から広がるように全身が火照る。

自分の中心がかたくなっていくのを感じる。

今すぐ触れて、慰めて、放ってしまいたい衝動に駆られる。

本能に促がされるままに動かそうとした手を、ルイに掴まれた。

そしてそのまま、ルイは奏をベッドに縫いつけた。

「俺、血の好き嫌いが激しくて、あのとき本当に飢餓状態でさ。声をかけてくれた君を見たとき…君からいいにおいがしたとき、神様が寄越してくれた天使かと思った」

それからルイは奏のズボンに指をかけると、下着ごとをおろし、かたく反り立ったものをそっと撫でた。

「俺の番になって、奏くん」

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