ハッピーデイズ (Page 4)
「…っ、やだ…っ!もうイってるから…ぁ!」
「勝手にイくなよ、バカ…っ」
リョウタが吐き出したものは、もうすっかり透明に近くなっている。
だけど、まだまだ足りない。もっともっと、気持ちよくなりたい。
もっともっと、気持ちよくしてやりたい。
さっき吐き出したはずのモノは、またむくむくと立ち上がりはじめている。
その根本をぎゅっと握ってやると、リョウタが喉を反らせる。
「…っ、く…っ!それ…っ、ダメ…ぇ!」
「俺がイくまで、もうイっちゃだめ」
「やだ…っ、苦しいよ…ぉ!」
その間も腰を打ち付けるスピードはゆるめてなんかやらない。
空いたほうの手でリョウタの腰をホールドして、少しも離れないように奥をガンガンと突き上げてやる。
互いの肌がぶつかる音と、結合部から響く水音が響く。
耳元ではリョウタの甘い声が聞こえて、耳からその熱で溶かされてしまいそうだ。
「…っ…はぁ、めっちゃ締まる…っ」
「ん、んん…っ!」
吐精できない苦しさからか、内壁がぎゅっと締め付けられる。
絡みつくようなその動きに、目がチカチカするような感覚に陥る。
おそらく、俺も限界が近い。
「…リョウタん中、出していい…っ?」
「ん、出して…っ、いっぱい出して…っ」
見下ろしたリョウタの顔は、もうメンバーの顔なんかじゃない。
理性も何にもない、快感に侵されきった一人の男の顔になっていた。
「…っ、やば…っ、イく…っ!」
「んん…っ、あ、ぁ!」
自身を思い切り締め付けられた反動で、リョウタの中に白濁を打ち付ける。
達したのとほぼ同時、握っていたところを開放してやると、先端からはもうほとんど残っていない精液がとぷとぷとあふれ出した。
お互いに乱れた息を整えながら、顔を見合わせた。
そこでようやく我に返って、二人で笑いあう。
「…恥ずかしーことしてんね、俺ら」
「ほんとだな」
ベッドに体を沈めながら聞いた話だけど、結局リョウタが撮られた記事もでっちあげだったとか。
飲みに行っていたバーの店員の女の子に、タクシーまで送ってもらっているところを撮られたらしく、女の子と遊んでいたというのも、誤解だったそうだ。
「じゃあ、お前辞める必要なかったんじゃないの」
「…いや、俺が辞めたのは、それが原因じゃなくって…リュウのこと、ほんとに好きになっちゃったから、っていうか」
「は…?」
「…え?ヒカルから聞いてないの?」
まさに寝耳に水。知らないのは俺だけだったなんて、そんなオチある?って、思わず頭を抱えたけれど
「でもまぁ…俺は、リュウとエッチできたから、うれしいけど」
「…バカ、俺の気持ちも知らないで」
当の本人は、俺が思っていた何倍も幸せそうに笑っていて。
それを見て、また愛しいだなんて思ってしまったんだ。
「俺と付き合うなら、養ってあげてもいいけど」
「なにそれ、リュウからのプロポーズ?」
減らず口は、唇で塞いでやる。
これからの俺たちが、ハッピーでありますように。
そんなことを考えながら、もう一度二人でシーツに包まった。
Fin.
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