愛しい君のために
社長に就任したばかりのミヤビは、社長秘書で従兄弟の楓とは恋人関係。社長専用の休憩室で、ミヤビは楓に初めてのフェラをする。しかし疲れるその行為に、楓に絶頂を迎えさせることはできない。そして今度は楓がミヤビにフェラをして絶頂を迎えさせると、快楽に逃げるミヤビを激しく抱きつぶし──。
社長専用の休憩室の壁際で、俺は床に膝をついて彼の太ももに腕を絡ませた。
「んぐ…んんっ、ふぁぁ…んん」
ジュポジュポと男の匂いが充満する肉棒をほおばる。
一生懸命、慣れない口で彼を気持ちよくさせるために大きなお口を開けた。
なのに、コイツときたら…
「んー、五点」
あまりにも低い点数に、ぎゅっと男根を握ってやる。
「痛っ…嘘! 嘘です! 百点だよ、百点! さすがミヤビくん!」
「ふふーんっ」
先っぽをくわえながら、笑顔を浮かべる。
俺がしているのだから『満点』なのは当然のこと。
ジュルジュルと先走りを吸いながら口を離すと、口から垂れる唾液を袖で拭った。
「ん、でも疲れるし楽しいものじゃないね」
「やらせろって言うからやらせたんだ」
「いつも楓が俺にするから美味しいのかと思って」
「ミヤビのは甘くて美味しいからね」
「なに? 俺だけ特殊体質なわけ?」
楓の下着とズボンをあげ、ベルトを締めてあげようとしたとき、手を引かれて立ち上がらされた。
「そりゃあミヤビは俺の特別だからね。ミヤビのだけ美味しく感じるのは当たり前だろ?」
「…他にはしたことあるの?」
「ミヤビ以外の野郎に? 俺が? …はぁ、ありえない。こんなに可愛くて、お人形さんみたいに美しい存在がこの世に二つあると思うのか?」
「美しいのは認める。が、『可愛い』?」
「カッコいいの間違いだよ、ミヤビくん」
「ふふーん、当然、俺はカッコいい」
ギュッと楓に抱き着き、上目遣いで見上げる。
三つ上で従兄弟の楓は、俺に従順の社長秘書。
若くして父を亡くし、名家の当主である祖父の跡を継ぐために、この春から俺は大企業の社長となった。
そして楓は平社員から昇格して、俺の社長秘書になったわけだ。
同族会社のため、周りには親族ばかりで最年少で社長になった俺を蹴落としたがる連中ばかりだけれど、俺だって必死に学んでこの座に就いたんだ。
楓を愛し、彼との未来を守るためにもこの席は必要で、将来を共にするならなおさら、立場を維持しなければならない。
男同士で親族なのだから、批判の目を浴びるのは目に見えている。
本家の俺ならまだしも、分家の楓はいろんな人から非難を浴びることになってしまうから。
だから睡眠を削ってでも、俺には仕事を優先させなければならない。
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