香水禁止令 (Page 2)

膝での刺激を強める。

「こんなこと、俺以外としないよね?」

「ああぁあっ! 今したらだめ、だめっ」

「俺だめかな。昨日の弁当おいしくなかった? バイトのシフト入れすぎて、寂しい想いさせたかな。それとも、えっち気持ちよくない?」

「ひっ、あ、ああああああ!」

「あ。髪の毛集めてるのバレちゃったかな。教授に牽制(けんせい)した方かな。だってあいつ陽太のこと見てたし、俺頑張ったんだよ。絶対あんなやつに…」

「んん、もう…!」

「いたっ…!? へ、なんで…」

突如、首筋を噛まれた。綺麗な歯並びの感触が心地いい。

「…さっきから、聞いてっていってるでしょ。髪の毛集めてるの、知ってたし。教授の方は寧ろ助かった、ありがとね。それよりカフェオレの割合がやだ、もうちょっとコーヒー多めがいい」

「……はい。えっと、ノート持ってくる」

「だめ。それくらい心臓にでも刻印しといて。割合は8:2。それと、この匂い違うよ。浮気とかじゃない、姉ちゃんの香水借りたの」

「…?」

「その、同棲してからご飯とか頼りっぱなしだし…今日は恩返しの日にしようと思って」

「なんで、香水?」

「それは…甘い匂いしたら、いつもより、興奮してくれるかなって思って」

なるほど。ノンケの発想、だろうか。

「俺の作戦だと、ご飯中にもやもやさせて、風呂上がりに誘うはずだったのに」

「…なにそれ、最高すぎるよ」

陽太の唇にかぶりつく。深く舌を絡めながら、シャツを脱がせる。

「ああ、かわいい下着も付けてくれたんだね」

「う、うん…すごくさらさらしてるから、いつもより気持ちよくなっちゃった」

黒いシースルーの下着は、陽太の白い肌を際立たせている。

「これもお姉さんが選んでくれたの?」

「ふあぁっ、あ…うん…」

下着の上から胸を撫でてみると、こちらの脳がとろけるような声で応えてくれる。

「今度は、俺が選びたいな」

「あっあっわか、わかったからあ! 胸ばっかりやめてっ」

「うん、そうだね。俺もさっきから苦しいんだ」

「…えっと。もう入る、よ」

「準備してくれたの?」

「準備っていうか…待てなくて、しちゃった」

「残念、今日の一番は俺じゃないんだ」

どろどろのショーツを脱がせ、すでに柔らかくなっている秘部にゆっくりと、自分の性器を入れた。

「ああーーっ、気持ちいい、真司」

「陽太…っ、好き、愛してるよ」

「うん、俺も愛してる…っ」

俺が言えば、陽太は必ず返してくれる。そう思って愛を囁くなんて、ずるいだろうか。

「陽太だよ。女の匂いじゃなくて、エロい下着でもなくて。君が好きだって、わかってる?」

「はうぅ、ああ、わか、る、わかる、よお」

「じゃあ、もう二度と、香水なんてつけないで。陽太の匂いの方がずっと、興奮する」

互いに夢中になればなるほど、陽太の匂いが強くなる。

「俺もっ、真司が好き。気持ちいのも好きだけど、真司の気持ち悪いとこもっ、好き、だよ」

「…えっ、気持ち悪いの? 俺」

もしも本当に陽太が、浮気なんてした日には自分はどうなってしまうのだろう。

とにかく今はそうならないように、最大限の奉仕をするしかない。

Fin.

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