ご主人様との卑猥な性遊戯

・作

会社が倒産し、転職活動も上手くいかない悠希。カフェで偶然出会った年上の男に事情を話したところ、「俺のペットにならないか」と持ちかけられる。タダで生活できる代わりに、身体を好きにされる約束を交わした悠希は、ベッドの上で甘くとろかされて――。

「あ~あ、これからどうしよ…」

カフェのカウンター席で、僕、相沢悠希は深いため息を吐いた。

勤めていた会社が倒産することになり、仕事をクビになった。

遠方のド田舎にある実家には戻りたくない。

とはいえ、次の仕事の面接には落ちまくっている。

人生、詰んだ。

絶望のあまりテーブルに突っ伏すと、飲んでいたカフェモカの紙コップに肘が当たり、倒してしまった。

中身は少なかったものの、零れた液体が隣の席に流れてしまう。

「わわっ!すいません!」

慌てて紙コップを元に戻し、おしぼりでテーブルを拭きながら隣の人に謝った。

「いや、構わないよ」

隣に座っていたのは、二十歳の僕より十は年上に見えるお兄さんだった。

ジャケットを着た穏やかな雰囲気のイケメンで、ノートPCを開いている。

「それより、君、大丈夫?」

そんな言葉をかけられて、僕は首を傾げた。

「顔色が悪いよ。元気もなさそうだし…。どうしたの?何かあった?」

お兄さんの優しげな眼差しに、気付けば僕は泣きながらすべてを話していた。

*****

「なるほどね…」

「はい…」

話し終えて気分はスッキリしたけれど、これからのことは何も解決していない。

事情を知ったお兄さんは、腕組みをして考え込む素振りを見せた。

そして、信じられないことを口にした。

「それならさ、俺の部屋、来る?」

「へ?」

「君、可愛いし。俺のペットになってくれるなら、タダで生活させてあげるけど」

え、ペット?

「ペットって、何するんですか?」

「俺が部屋にいるときに、自由に可愛がらせてほしいな」

「可愛がる…?」

「身体を好きにするってことさ。わかるだろ?」

つまり…。

このお兄さんの夜のお相手になるってことか。

男とセックスするなんて初めてだし、かなり怪しげなお誘いだけど…。

タダで生活できるなんて、こんな美味しい話もないよね?

「…ふつつかな人間ですが、よろしくお願いします」

僕は深々と頭を下げていた。

*****

後日。

僕はお兄さんの部屋に引っ越した。

一人暮らしにしては広めのマンションだ。

リビングのソファーに座り、キョロキョロと辺りを見回す。

黒を基調としたモダンなインテリア。

大人っぽくておしゃれな印象だ。

「悠希くんのために、いろいろと用意したんだ。はい、部屋着」

満面の笑みを浮かべるお兄さんに手渡されたのは。

「えっ、これ…」

女性もののランジェリーだった。

ピンクのキャミソールに、お揃いのショーツ。

どちらもスケスケのレースでできている。

「あ、あの…」

「ペットなんだから、俺の言うことは何でも聞かないとね。ほら、着替えてきて」

この人、こんなアブノーマルな趣味があったなんて!

戸惑ったものの笑顔で押し切られて、僕はドキドキしながら寝室に向かった。

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