夢じゃなくてよかった (Page 4)
ここの店舗は従業員が多いため、事務所と休憩室が分けられている。その休憩室の一角にはアコーディオンカーテンで仕切られた場所があった。
2畳程度の広さの畳部屋で、勤務時間が長い従業員の仮眠室となっていた。
「瀬川さん、やっぱり今夜は付き合ってください!」
夏用のラグに体を横たえられたかと思うと、がばっと岩田が覆いかぶさってきた。唇やあご、首にキスが降ってくる。ときおり強く吸われて、ちくっとした痛みが走る。
「あっ…、い、わた、…」
少しひやりとした風を肌に感じた。壁に備え付けられたエアコンが動いている。最後に使った誰かがスイッチを切り忘れたらしいと頭の片隅で思う。
「瀬川さん、俺だけを見てください」
「は、…ああ…」
いつの間にかに制服の上着とシャツを脱がされ、岩田の手が腹の辺りを撫でていた。
鎖骨のでっぱりを舌でなぞられ、強く口づけられる。岩田の唇がゆっくりと肌を滑り、胸にキスを落とされた。小さな音を立てて胸を吸われる。じん、とした痛みとくすぐったさに身をよじると、もう片方の胸を大きな手のひらで抑えつけられた。円を描くみたいに胸の上の手のひらが動く。普段は意識することのない胸がじくじくと熱を持ち、突っ張るのがわかった。
「や、やぁ…、あ、…あっ」
岩田の口に含まれ、手のひらで転がされて硬くなった両方の胸の先に強い刺激が走る。歯と爪を立てられて、キスでたまっていたもぞもぞとした熱が我慢しがたいものに変わっていた。
「岩…、たっ…。…なん、で…、そこばっかり…」
「瀬川さんの肌、血管が見えます…。きれいです…」
岩田の低い声に、ばか、と返すのが精いっぱいだった。
「胸も色が薄くてきれいです。…ここに誰かがさわったこと、ありますか?」
岩田の熱い息が胸にかかる。そして、硬い胸の先を舌でゆっくりとなぞられる。
「あっ! は、…」
胸の先から広がる刺激に、あえぐことしかできない。
「ここ、好きなんですね。誰かに教えられたんですか?」
岩田の声が熱を帯びていくのがわかったけど、それ以上に自分の体が熱い。胸が岩田の舌に侵され、岩田だけを感じる器官になってしまったみたいだ。何度も頭を横に振る。
「は…、はじ、…めて。岩田、が…、あ、んっ」
柔らかい刺激ときゅっとするような刺激が交互に来て、波のように体に広がる。目の前がにじむ。よかった、と岩田が笑った気がした。
「ここも、感じてますね」
チノパンツ越しに硬くなっていた俺自身を握られた。
「ああーっ…」
やわやわと揉みこまれて、俺はギブアップした。じんわりと広がる濡れた感触、耳がきんきんして目を閉じる。
胸を触られただけで達してしまって、と思う間もなかった…。
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