それは快楽の色彩 (Page 2)

振り向くと、一人の男性が穏やかな笑みを浮かべて僕を見つめていた。

20歳の僕より少し年上だろうか。

ゆるくパーマを掛けた茶髪に、丸いフレームの眼鏡がオシャレな印象だ。

長身にトラッドな服装がよく似合っていて、いかにも人の輪の中心にいそうな、人気者っぽい雰囲気を身に纏っていた。

「えっと、あなたが、あの絵の作者さんですか?」

おずおずと問い掛けると、男性は自身の笑みを深くした。

「そうだよ。俺は新堂斗真。学部は違うけど、君と同じ大学だよ」

「えっ!」

それは知らなかった。

新堂さんは隣に座ると、僕と同じカフェラテに口を付けた。

「君は、仲村樹君だね。文学部の二年」

「はい…。あの、新堂さんは…」

「同い年だから、敬語じゃなくていいよ。俺のことも名前で呼んで」

こんな大人びた見た目なのに、同い年だったとは。

気さくなノリに、僕の緊張もほぐれた。

「わかった。斗真君は、僕のことを知ってたの?あの絵のモデルは、僕?」

「そうだよ。数ヶ月前に見掛けてから、目で追うようになったんだ。趣味で描いてた絵のモデルにぴったりだって思って。勝手に描いて悪かったね」

すまなそうに言われて、僕は首を横に振った。

「ううん。最初はちょっと怖かったけど、斗真君がいい人そうってわかったから、大丈夫だよ」

斗真君は優しく微笑むと、じっと僕を見つめた。

「連絡をくれて嬉しいよ。樹君の絵をアップしてから、SNSで人気が出るようになったんだ。君のおかげだね」

はっきりとした口調で言われて、ちょっと照れる。

「そんな、僕なんか、どこにでもいる平凡な人間だよ。斗真君の方がカッコいいし、明るいし、絵も上手いし、何でも持ってるよ」

それは本音だった。

僕は斗真君のことが、本気で羨ましかったのだ。

「何を言ってるんだ。樹君には、樹君にしかない魅力があるよ」

「えっ」

そんなことを言われたのは初めてで、ドキッとした。

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