愛しい君のために (Page 3)

「んぁ…ふぅ、まっ、て…楓、かえ…」

「そういうことをする部屋なんだろ」

「ひゃっ…ちょっと！」

　首筋にキスをしながら、スーツを脱がせ、ベストのボタンをはずし、プチプチ…とシャツのボタンをはずす。

　背中に回される手で押さえられ、身長差もあるから容易に逃げることができない。

「さっきまで恥ずかしいって…んあ」

「お前の可愛い顔見たら消えた」

「はあ？　誰が可愛いって…んんっ、待って、まっ…ぅあ」

　ジュゥ…と耳の近くの肌を吸われる。

　耳に近かったせいで、頭の芯に音が響いて身体がピクピクと響く。

　抵抗する力がなくなって身を任せていると、楓が額にキスをしながら俺の身体を抱えた。

　休憩室に備えられた簡易ベッドに仰向けに寝かせられ、ズボンを脱がせられる。

　そして今度は楓が俺の肉棒をくわえた。

「はぅ…」

「フェラはこうすんだよ」

「へ…？　あっ、あぅ…んん」

「ん…」

　根本を指で撫でられ、肉棒の裏側を楓の舌がなぞる。

　先端をクチクチと指先にいじられて、俺の身体は快感に震えた。

　この行為は気持ちよすぎてたまらなくなる。

　フェラをしたのは初めてだったけど、俺は何度もされているから、これが気持ちのいい行為だってことは知っていた。

「はぁ…んんっ」

「ミヤビは覚えなくていいけどな」

「なん、で…おれ、だって、あっ、俺も…ッ」

「天然でだまされやすいから、他のヤツのするかもしれないだろ」

「はあ？　さすがにしないしっ…。てか俺、社長！」

「ん…知ってますよ」

　ジュッ…と先端を吸われ、ビクッと身体が跳ね上がる。

「やめ…もう、でる、からっ…」

　頭を押し返すと楓は離れるどころか、俺の肉棒を全部口に含んだ。

「ヤダっ…かえで、ヤダッ…」

　抵抗したところで楓が離さないことは学習済みだ。

　けど、人の口の中に出すって行為は決して気持ちのいいものじゃない。

　何度されても抵抗感はあるし、ましてやそれが大切な人の口だと背徳感もある。

「んあっ、んん…ッ」

　必死に唇を閉じて、涙目になりながら快感に体を震わせる。

　精子を出し切るまで楓は口を離してくれず、先端を吸いながらゴクリと喉を鳴らした。

　美味しいモノじゃないはずなのに、楓は毎度のことながらソレを飲む。

「ん…はぁ」

「俺も、かえ、での…飲んで、みたい…」

「ダメ」

「社長命令ッ！」

「それだけは聞きません」

「なんで！」

　すると楓は『べっ』と白濁の液体が残る舌を伸ばす。

　そして口移しをするように、俺の口の中に精液を残した。

「んっ！」

　青臭い匂いと、コーヒーとはまた違った苦味に、楓を突き放す。

「ゲホゲホッ…」

「ほらね」